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ティッシュ・エキスパンダーによる組織拡張手術

ティッシュ・エキスパンダーとは

現在使用されているエキスパンダーは、アラガン社のナトレル133Sティッシュエキスパンダーという製品です。特徴は、表面がツルツルで、底部にはタブと呼ばれる固定部分が6箇所ついており、これを使うことでエキスパンダーの回転を予防することができます。
また表面にはポートという硬い部分があり、このポート部分に針を刺し、生理食塩水を注入できる仕組みになっています。

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ティッシュ・エキスパンダー組織拡張手術の方法

乳腺を全て切除すると、その下には大胸筋という筋肉が見えてきます。大胸筋の深部を適切な範囲で剥離し、ポケットを作成します。
エキスパンダーに生理食塩水を注入し、エキスパンダーを大胸筋の下に挿入し、大胸筋と外側の筋膜脂肪組織を縫合して、エキスパンダーを入れるポケットを閉じます。ドレーンを刺入し、皮膚を縫合します。そのあと、大きさ、形などができるだけ対称的になるようにするため、再建した胸部の皮膚全体に形を整えながらテープを貼ります。手術終了と同時に生理食塩水を健側と同じ形になるくらいできるだけ多く入れ、さらにテーピングを行う根拠は、これによってポケットに適切な形状を記憶させることにあります。人工物の周りには、必ず被膜という薄い膜ができるのですが、この被膜の特徴は、ある程度張力があり、一度作られた形は急には変わらないということと、時間の経過とともにだんだん拘縮する(ちぢこまること)という性質があります。仮に手術後に何の工夫もしないのであれば、エキスパンダーの表面張力は均等に分散される形に膨らむので、どのような形になるのかは予想がつかないのですが、テーピングを行なって、最初に健側と同じ形にしてしまえば、被膜自体がある程度その形状に固まってくるので、そのあと丸い形のインプラント(インスパイラ)を入れてもある程度オリジナルの乳房の形に近似される可能性が高くなります。シリコンの形状は必ずしも健側の乳房形態と同じわけではありませんので、この準備には実は大きな意味があるのです。

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手術後の経過

術後はドレーン量がある程度少なくなってからドレーン抜去、退院となりますが、リハビリは主治医の判断により徐々にスタートします。腕を急激に動かすと ごく稀にエキスパンダーポケットが破綻したり、エキスパンダーを固定している糸が外れたりすることがありますので、最初のうちは腕や肩をゆっくり動かす のがコツです。 テープ負けなどにも注意しながら約3週間〜1ヶ月弱テーピングを継続します。 生理食塩水の注入は、10日〜約2週間に1回程度の頻度で注入しますが、出来るだけ早期に注入を終了する方が、より対称性を近似させることができます。 エキスパンダーは約6ヶ月間挿入したまま待機し、その後シリコンインプラントへの入れ替え、もしくは自家組織による再建となります。

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