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よくある質問

Q

乳房再建手術はどのような種類がありますか?

A

乳房再建の方法としては、大別すると2種類の方法があります。一つは、シリコン・インプラントとティッシュエキスパンダーを用いる人工物乳房再建法、もう一つは、患者自身の体の組織の一部を移植する自家組織再建法です。

人工物再建法は、体の他の部分に傷をつけることなく再建を行うことが可能で、大きな下垂がない乳房には最適な方法ですが、定期的な経過観察の必要性と長期的には入れ替えの必要性がある点にも注意すべきでしょう。一方、自家組織再建法はいくつかの方法に分かれ、主にお腹の組織を使う方法、背中の組織を使う方法などがありますが、最近注目されている方法は、ドナーの犠牲がより小さく、整容性も高い深下腹壁穿通枝皮弁法です。この方法は、腹部遊離皮弁の一つですが、腹直筋や腹直筋を動かす神経を残した形で再建ができる優れた方法です。

Q

傷跡が残らない手術方法はありますか?

A

人工物再建の場合には、乳房の外側に皮膚切開線を置くと、ある程度目立ちにくい傷にすることが可能ですが、手術自体がやりにくくなったり、修正手術が難しくなるというデメリットもあります。自家組織再建の場合には、エキスパンダーを使用することによって伸展させた胸部の皮膚の下に腹部の組織を移植して入れることが可能です。その場合には、皮膚を十分に伸展させておくことが重要になります。傷跡自体をきれいにする方法としては、目立つ部分の傷を切除して再度縫合を行うことにより、傷跡をきれいにすることが可能です。

Q

痛みや体の負担が少ない手術方法はありますか?

A

体の負担が少ないという観点で考えるなら、人工物再建が推奨されます。痛みについては、自家組織再建を行う場合でも、硬膜外麻酔などを併用することにより手術後の痛みをかなり軽減させることができます。

Q

乳がんの手術後に乳房再建手術を受ける場合(二次再建)は、どれくらいの期間を空ける必要がありますか?

A

がん治療として、乳がん術後にどのくらい期間を空けるべきという厳密な定義はありません。しかし、全摘術を行った後は、胸部の皮下組織は瘢痕になり、硬くなります。ある程度組織が柔らかくなった方が再建がやりやすいため、その観点から考えれば、最低でも半年から一年は待った方が望ましいと考えられます。

Q

乳房再建手術が受けられないことはありますか?

A

原則としてがんの局所再発などがなく、かつ(必要な場合に)全身療法が完遂していれば、乳房再建術が受けられないことはありません。ただし、種々の重度の基礎疾患(糖尿病、精神疾患、その他)がある場合には慎重な判断が望ましいと考えられます。また、喫煙は極端に創傷治癒を悪くすることが知られており、再建手術の種類にかかわらず、そのリスクに対する十分な理解が必要です。

Q

乳房再建手術後の通院頻度は?

A

手術直後には週に1回〜2回の通院が必要になる期間もありますが、その後は通院頻度は少なくすることが可能で、再建終了後は年に1回〜2回の頻度で経過を見ることになります。

Q

乳房再建手術は保険適応となりますか?

A

再建の種類に関わらず、原則として乳房再建術、乳頭再建術は保険適応となりますが、乳糖や乳輪に色を入れるためのtatooは自費になります。

Q

乳房再建手術の費用はどのくらいですか?

A

再建手術の費用は通常高額診療の対象となりますので、月額の上限額になります。乳頭再建術も保険診療の適応で概ね25,000円前後の費用になります。

Q

乳房再建手術は、乳がんの再発に影響を与えることはありますか?

A

乳房再建術が乳がんの再発に影響を与えることはありませんが、再建術後も乳がん治療としての経過観察は必須と考えるべきでしょう。

Q

乳房再建手術のリスクはありますか?

A

人工物再建におけるリスクは術後出血及びそれに関わる感染ですが、合併症を軽減させるためには、術後の安静が何より重要です。自家組織再建、特に遊離皮弁や穿通枝被弁を用いた再建では、マイクローサージャリーによる血管吻合が必要になりますが、術後血栓や皮弁壊死のリスクは主治医の技量の差が全てです。したがって、手術結果に憂いを残さないためにも、主治医選びは極めて重要と考えるべきでしょう。

Q

乳房再建手術の入院期間はどのくらいですか?

A

当院における人工物再建手術の入院期間はおおよそ5日前後(ドレーン抜去まで)、自家組織再建(深下腹壁穿通枝皮弁)の場合には、およそ20日前後の入院になります。

Q

乳房再建手術後、日常生活で注意すべきことはありますか?

A

術後の状況や主治医の判断にもよりますが、一般論としては、術後の患肢挙上は制限があります。創部、全身状態が落ち着くまでは運動も制約があります。術後の食事については特に制限はありません。

Q

乳房再建手術は高齢でも受けられますか?

A

原則として、年齢制限はありません。

Q

乳房再建手術を受けた後でも、妊娠・出産はできますか?

A

人工物乳房再建術では、術後の妊娠、出産に関するリスクは全く問題ありません。また、当院では、穿通枝皮弁採取の際に、筋膜切開を最小限にすることにより、腹壁ヘルニアのリスクをほぼ0にする工夫をおこなっており、将来的に妊娠出産の可能性がある患者であっても、深下腹壁穿通枝皮弁による自家組織再建を選択することは問題ありません。

Q

何十年も昔に乳房切除術(全摘術)を受けたのですが、乳房再建手術は受けられますか?

A

全摘術後どれだけ時間が経っていても乳房再建術は可能です。また、再建までの期間がどれほど長くても、それ自体が再建術のクオリティを下げることは全くありませんのでご安心下さい。

Q

シリコンインプラントは交換する必要はありますか?

A

最近、ブレストインプラントの合併症として注意喚起されているBIA-ALCL(ブレストインプラント関連巨細胞型リンパ腫)がありますが、その平均発症期間は10年弱と言われています。したがって、現状としては、特に問題はなくても10年前後で希望者に入れ替えを行うことはある程度妥当性があると考えています。

Q

乳房再建手術後、形が崩れることはありますか?

A

人工物再建後は、シリコン周囲にできる被膜が徐々に縮こまってくる性質があります。(これを皮膜拘縮といいます)これにより、再建乳房の形態が徐々に変化して、拘縮することがあります。一般的には、全摘術後の皮下組織が薄い場合や放射線治療を受けた場合などに拘縮変形がより高度になることがわかっています。一方、自家組織再建術後の変形は比較的軽度であり、大きな形態変化が起こる可能性があるのは、特に体重が大きく変わった場合などに限られます。